二代目村正会々長・小山顕治のその後だが、山健組が四代目になると舎弟に直り 三代目村正会の顧問をしていた筈だが、いつの間にやら小山の事は聞かなくなった。

　自分の若い者からも借金をして挙句 一部の者を食い物にしたので  きっと三代目村正会や山健組に居り場所が無くなり、肩身の狭い思いで生きているのだろう。

　因果は巡って来るとは 良く云ったものだと思う・・・

　でも堅気になるなら俺は、以前述べたように 小山顕治の面倒は見る積もりでいる。

　暴力団員と犯罪者の自立更生支援を看板にしているからだ。

　昔から俺は、一度 吐いた唾は飲み込まないのが信条だ。

　村正会は現在 播州最大のパチンコ屋・国際会館グループの中村春根に 親の仇として元舎弟頭・富田大光 以下、破門された組員が拉致され殺された事件が勃発して 現在係争中だ。

　時代が変わりつつある今こそ、五仁會としては 何かと因縁のある村正会を解散させ 姫路に暴力団更生法を制定したいと思っている。

　因みに、村正会の事務所の前に「暴力団は出て行け」と旗を立てたのは、俺と城南地区連合自治会の長谷川國雄会長だ。

　それから暫く経って、夜逃げ同然に坂元町から出て行ったのは 知る人ぞ知る話しなのだ。

　村正会を 俺と長谷川会長と二人で放り出す算段をしてから、白鷺小・城南地区には暴力団事務所は ひとつも無くなった。

　これは 城南地区住民の勇気の記録だ。

　俺が水田に腹を立てているのは、俺の娘に 五仁會々長の竹垣悟はポン中や、あんなポン中どないしようもないで」と何の根拠もなしに云ったからだ。

　この時、俺と仲の良い議員の実弟も側に居たのにだ。

　これが名門・村正会の三代目の云う事かい？

　水田よ、誰がポン中やねん。 

　それは お前とこの若い衆と違うんかい。

　そのポン中の為に、同じ町内会の俺の同級生も医師免許を剥奪され 可哀相に懲役に行った。

　俺は今 官僚と同じような活動をしているが、極道時代の先輩に対して冗談でも「ポン中」等と 俺の娘の前で云うべき事ではないだろう・・・

　水田よ、一日も早く帝王学を身に付け 人の心の痛みを知ることだ。

　正直 あの小山顕治も松岡武を買っており、水田を三代目にしたのは間違いやったと泣いていたぜ。

　・・・俺は そのむかし水田が山竹抗争で服役した時、中野太郎に云われて何回か面会にも行き差し入れもした。 

　でも俺が 竹中組に居た時の事件だったので、俺の本音は行きたくなかったさ・・・

　その水田に 俺がなぜ、ポン中だと云われなければならないのだ。