犯罪者や非行少年の更生と矯正活動に尽力している人に対して、その活動を称え、表彰するために「作田明賞」が四年前に創設された。
この賞は刑務所や、矯正施設に関連する人なら誰でも一度は目にした事があるだろう・・・
その第一回目の表彰式が行なわれたのが、2010年9月20日(月)だ。
当日の様子はホームページ「作田明・オフィシャルサイト」に出ているので詳細は省くが、審査委員として授賞式に出席したのが元法務大臣の江田五月参議院議員と作家の吉永みちこさん、それに弁護士の高野隆氏等で、最優秀賞を受賞したのが前衆議院議員の山本譲司氏だ。
山本譲司氏は、獄窓記(新潮文庫刊)を出版しベストセラー作家となった。
現在は「罪を犯した障がい者も共に暮らせる社会を」との信念で、矯正活動を続けている。
この時の優秀賞が、カリヨン子どもセンター理事で弁護士の坪田節子さんだ。
第二回「作田明賞」の最優秀賞には、NPO法人セカンドチャンスが選ばれた。
このセカンドチャンスは、少年院経験者の支援活動を行い、誰もが活き活き生活出来る社会の実現を目指して設立されたと云う・・・
優秀賞にはNPO法人ほっとポットと、北陸学園・学院長の楠本史郎氏が選ばれた。
第三回「作田明賞」の最優秀賞には、龍谷大学法科大学院教授の浜井浩一氏が選ばれた。
この浜井浩一教授は早稲田大学を卒業後、法務省に入省し、矯正機関や保護観察所で勤務した経験を持つ。
そして法務総合研究所の研究官や国連犯罪司法研究所の研究員も務め、犯罪白書の執筆にも携わった。
海外での活動経験も豊富であり、海外での犯罪の現状や刑事政策にも通暁している。
著書には、2006年に刊行した「犯罪統計入門・犯罪を科学する方法」(日本評論社発行)がある。
優秀賞には、お好み焼き「千房」代表取締役の中井政嗣氏と、女性デュオのPaix2(ペペ)が選ばれた。
大阪のお好み焼き「千房」の社長については今更説明の必要も無いだろう・・・
この「千房」は、笹川陽平会長率いる日本財団の支援を受けて「職親(しょくしん)プロジェクト」という事業を展開中だ。
被害者にとって犯罪は許せないものだが「千房」中井政嗣社長は、加害者側の元受刑者らに社会復帰の道を提供し「経世済民」の精神で道を切り開こうとしている。
社会をよくする一石・・・とは中井政嗣社長の言葉であるが、私が憧れる言葉でもある。
その言葉を実践しているのが、お好み焼き「千房」のスタッフと日本財団だと云っても良いだろう。
女性デュオ・ペペは、刑務所などの慰問活動を精力的に行なっている。
その為ペペは「受刑者のアイドル」の愛称で呼ばれているのだ。
所属レコードは日本コロンビアで、シングル版はもちろん、アルバム版「逢えたらいいな」というレコードも出している。
自伝も、実業之日本社から「SAYいっぱいをありがとう・塀の中から届く歌声」と、鹿砦社から「逢えたらいいな・プリズンコンサート300回達成の道のり」を出している。
2013年8月24日(土)に行なわれた第四回「作田明賞」の最優秀賞には、日本ダルク代表・NPO法人アバリ理事長の近藤恒夫氏が選ばれた。
この日本ダルクの活動は、麻薬・覚醒剤等・薬物の問題を抱える仲間が回復を目指して集まる集団としても有名だ。
近藤恒夫代表の新刊が、講談社から発売されている。
「世の中の扉・ほんとうのドラッグ」という本だ。
優秀賞は法務省を退官後、更生保護法人「両全会」理事長として活躍する小畑輝海氏と「小森法律事務所」代表で弁護士の小森榮氏が選ばれた。
「弁護士 小森榮の薬物問題ノート」と題して「ブログ」があるので、興味のある方は一読されたい。
・・・更生活動に携わる人間として、私もいつかは「作田明賞」が貰えるように頑張りたいと思う。
元暴力団組長の私が大学教授等と共に、この賞を受賞したら「驚天動地」と云っても過言ではないだろう・・・
こう考えると愉快犯の気持ちが解からない訳でもない。
こんな騒ぎを是非、現実のものにしてみたいものだ。
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