五仁會版暴力団更生法

元法務大臣・秦野章先生と竹垣悟。ポスターに使った写真の翌年、再会した時の一葉。
元法務大臣・秦野章先生と竹垣悟。ポスターに使った写真の翌年、再会した時の一葉。

 暴排条例が日本列島を覆いかぶさるように施行されている昨今、当の暴力団員はさぞかし窮屈な生活を強いられている事だろう・・・

 

 私はいま、暴力団との付き合いがないので暴力団の実体というものが、もうひとつピンとこない。

 

 世に知られた義竜会の会長だった私が姫路市に暴力団排除条例案を提出し、それがきっかけとなり条例が施行されたのだから、時代の流れと云うものは可笑しなものだ。

 

 私が現役暴力団だった頃は、自分自身ヤクザとしてしか生きられないと思っていた・・・

 

 ところがこうして犯罪者や暴力団員に更生を促す立ち位置にいるのだから、この世の神様は粋な計らいをするものだと感嘆する。

 

 私がこうして安全・安心の街づくりに参加出来るのは、私の一徹さと、何があっても折れない図太さを、友人・知人たちが支援してくれた賜物だと改めて深謝する次第である・・・

 

 ・・・私が山口組から外れたのは、先ず第一に兄貴分である古川真澄が堅気になった事に起因している。

 

 私はこの時、山口組と云う組織の冷徹さを知った。

 そして、山口組に未練を残したまま引退に追い込まれた古川真澄に同情した。

 

 私は長い間極道生活をして来たが、兄貴分と云うのは後にも先にも、この古川真澄ただひとりだけなのだ。

 そのたったひとりの兄貴分に、寂しい思いはさせられないと思った。

 

 こんな私の考えが、どこかで山口組と摩擦を起こすと思ったがその時は、ままよこれまでだと腹を括った。

 

 ヤクザの世界にいても、堅気の世界にいても、どっちみち人は死ぬものだ。

 

 それなら少年時代に憧れた、歴史のヒーローになってみたいと思うのが人情である。

 

 私はいつの頃からだったか忘れたが、幕末新撰組に憧れた・・・

 

 新撰組は風雲急を告げる歴史の裏舞台から、さっそうと表舞台に駆け上がった。

 そして命を賭けて時の幕府に忠誠を誓った。

 

 私は堅気になって暫くして、そこのところを考えた。

 山口組にいくら忠誠を誓っても、男のロマンが完遂することはないのだ。

 

 田岡一雄が生涯を賭けて完成させた山口組と云うのは、誰も超えることの出来ない聖域なのである。

 ヤクザとしての聖域である田岡一雄を超えるには、万人を持っても替えがたいものがある。

 

 それが時代背景であり、世の中の流れである。

  

 私はどうしても今、世の中の動きが見えない暴力団員に警鐘を鳴らすために、このブログを綴っている。

 

 暴力団員をやめて侠客となり、正しい道を歩くというのが人の道である。

 

 聞くところによると、用事もなく、金も産み出さないのに山口組本部に毎日顔を出し、一日を暮れて行く暴力団員もいると云う・・・

 

 その分、どこかに仕事に行かせて金を稼がせる方が世の中の為であり、本人の為にもなると思うのだが・・・

 

 暴力団員と云うのは案外生真面目な者が多く、使い方次第では毒にも薬にもなるのである。

 さしずめ、テキヤとして庭場を仕切ってきた香具師(やし)等は、世の中に必要な人材だろう・・・

 

 こう云う人を活かして使って行くのも、人の道だと私は思っている。

 そんな事を考えながら、NPO法人・五仁會を作って行ったつもりだ。

 

 立ち上がったからには駒を前に進めて行かなくてはならない。

 

 その行く手に立ちはだかるのは長州奇兵隊か、鞍馬天狗か・・・

 はたまた坂本龍馬の海援隊か・・・

 

 時代を幕末に戻しながら、私の思考力が遥か彼方の冥土に向っている。

 

 啓蟄(3月6日)を過ぎると云うのは、冬ごもりをしていた虫が活動し始める頃だ。

 我々五仁會の活動も、小さな一歩だが更にその先に向って前進して行きたいと思っている。

 

 余談だが、実際の話し世間では、元暴力団員と云うのをどこまで許容できるのか・・・

 

 一度押された烙印(らくいん)は、容易に消せない。

 だったら暴力団更生法と云うのはどうだろう・・・

 

 会社が経営困難になったら会社更生法があるように、暴力団員が更生するために暴力団更生法も論じる必要があるのではないか・・・

 

 私はこの問題に一石を投じたい。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    萩原健一 (金曜日, 14 3月 2014 01:06)

    俺も竹垣代表の提案を支持したいと思います。竹垣代表が姫路市に提出された暴力団排除条例案には確か、暴力団の更生を謳ってあったと思いますが、その項目は取り上げられなかったのですね。